全粒粉はなぜいいの?

Wheat before harvest (yield's field).個人的な体験でもこの全粒粉の良さを実感していますが、玄米と同じで「全体食」という考え方が大切なようです。胚芽、ふすま、胚乳等の部分を別々に摂っても既に食物としてのバランスは崩れていて、最初からひとつのかたまりを摂るのとは性質の違うものになってしまいます。魚を例にとるならばいりこは全体食、骨等を取り除いて食べる魚は部分食というわけです。自然に近い状態のものが一番いいのでしょうね。個人的な体験からすると、小麦全粒粉は玄米よりも胃に優しいような気がしますが、皆さんはいかがでしょうか。

全粒粉の味

全粒粉の味はどうかというと、一言で言うならば「噛めば噛むほど味が出る」です。ただし、その深みのある味を引き出すには少々手間がかかります。当店では、湯捏ねから始まり、全粒粉100%のパンを3日がかりで作り上げています。

全粒粉の健康面

食養には「一物全体食」という考えがあります。ありのままの姿で分割されていない状態のことで、食材を丸ごと使用するという意味で使われます。 穀物を精白しないこと、根菜でも葉を用いること、小さい魚を丸ごと食べること等を意味します。
漢方薬がちょっとした配合の違いにこだわるように、「まるごと」の食物は微妙な栄養バランスを持ち、かつ生命力を持っていてばらばらにしたものを組み合わせて同じような栄養成分にしたとしても「全体食」「まるごと」にはかないません。全粒粉は麦全体ですが、胚乳(一般的な小麦粉)、胚芽、表皮等をあとから組み合わせて食べたとしても体内での働きは違ってきます。化学では解明しきれない自然の叡智があるのであればそのまま活用したいというのが全粒粉100%にこだわる理由です。